第82章 トレッキングは楽し(2011.8.22)
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三方を標高600メートほどの山々に囲まれてい京都。その山々を巡る京都一周トレイルが、特に中高年を中心に人気がある。伏見稲荷から比叡山、大原、鞍馬を経て、高雄・嵐山・苔寺に至る全長約70キロのコース。さらに、今年の春に右京区京北地域を巡る全長約40キロのの山々を一周するトレッキングを楽しむ京北コースが加わった。京北コースは「細野〜大森〜山国〜弓削〜熊田〜細野、山国〜黒田」 で、山だけでなく渓流もあり、自然に富んだコースと云う。いつもは、舗装された道を車で通り過ぎるだけのルートも、四季折々、野山をゆっくりと自らの足で踏みつけながら歩くと、多くの発見や気づきがある。特に山の尾根から見る夕日はきれいなことだろう。昨年10月に、この京北トレイルがある栗尾峠の真下を地元の人たちの念願となっていたトンネル掘りに着手した。このトンネル工事に伴って、豊富な水が湧き出ているそうで、トンネルの傾斜を利用し水力発電の導入を計画しているという。この電気エネルギーをトンネル内の照明に使うという。トンネルはスーパー林道を作るよりは、先住の生き物たちにとっても環境に優しい先端技術の一つだろう。トンネルが完成すれば、多くの生き物たちにとり、今までの車のための道路が安全な生きるための道と化す。また、トレイル・コースにも加わるかもしれない。

この地域に棲む生き物たちも、このような山道を漆黒の夜には人知れず獣道として闊歩する。今まで鹿の群れを筆頭に猪の親子やキツネ、狸、野うさぎ、テン、雉などの生き物に出合ってきた。さらに、雪が積もる季節になると、すべての野山がトレッキング・コースになる。確かに整備されたコースではないため、道標もなくリスクは高いが、スノーシュを履き、コンパス片手に生き物たちの足跡を追跡していくのも楽しみの一つ。そして、偶然にも純白な雪原で生き物と出会うと心から感動する。

でも、それも状況が変わるとやはり背筋がぞっとすることもある。以前、山深い場所で野生の猫(野良)に出合ったこともある(たぶん)が、やはり、とても奇妙な感じだった。昼間にトレイル・コースから外れて、歩いている人たちにもドライブ中は想定外で驚く。そんな場所で夜中、人間に出会ったらどうなることだろう。咄嗟に戦うか、逃げるか。この近辺での幽霊話は、幸いにして耳にしていないが、想定外のことを意識することが、今の世の中、重要となっている厳しいとき、自然とその想像力が増す。日課とする竹刀の素振りにも自ずと力も入ってくる。

「昨晩、とうとうでたよ」

「なにが?」

「あれだよ」

「あれかぁ」

「うんだぁ」

「よがっだなぁ、はよ寝るべぇ」

「・・・・・」

今年の夏はお盆が過ぎ、急にしのぎやすくなってきた。来週は鮎の素もぐり漁。夏はまだまだこれからだろう。

残暑お見舞い申し上げます。

京都山小屋の住人

(次回に続く)