第57章 田植えは楽し(2008.5.6)
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オリンピックイヤーの今年の連休最終日は、田植えの体験。「安全・安心・食育」を合言葉に稲作プロジェクト(主催:退蔵会)に参加した。桜も散り、皐月晴れの中での田植え、水が引かれた田んぼの中に素足を入れる気持ちよさは体験しないと得られない感触だ。最初に足を入れる時の水の冷たさが気持ちよい。そして、足の指が捉える粘土質の泥の感覚はとても居心地がいい。腰を屈めた状態での田植え作業は、少々、辛いがそれでも皆でやるから楽しさが勝る。田植えが終わった後は、昨年、この田んぼで収穫されたお米を炊き上げたおむすびを頬張る。至福の時間だ。

「そういえば、今頃、中国の偉いさんが国賓で着いているころやね」

「暖春の旅ですか」

「奈良には寄って、京都には来ないようだけど」

「そんな、悔しがるなって、どう見ても奈良の方が格が上や」

「そんな事より、ギョウザ事件を考えれば、有機農業の現場を訪づれて、ひと言しゃべる演出がほしかった」

「何を語るの」

「それこそ、"わが人民は昔から食を重んじる文化を大切に”旨のメッセージを握り飯を頬張りながら出すんだよ」

「なるほど、金喰い虫のパンダの話よりは受けるかもしれないね」

「でも、この中国の偉いさんも、日本の偉いさんも握り飯を頬張る姿が似合わんなぁ」

「ナイフ&ホークと言わんまでも、箸で握り飯を食べそうやね」

早くも9月の収穫が待ち遠しい。まずは、順調に育ってもらうため、梅雨入り、梅雨明け、台風・・・お天道様のご機嫌が、これから気がかりである。

今回は阿じろの握り飯だったけれど、次回はシンプルな塩結びを頬張りたい。今度こそ、バケツ栽培米の塩結びの夢が破れたリベンジだ。

京都山小屋の住人

(次回に続く)