第76章 スノーシュは楽し!(2010.01.11)
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冬の山小屋の周辺の気色は真っ白な銀世界一色。雪のない時は、ブッシュや倒木、小枝などで足を踏み入れることさえ億劫になる所でも、一度雪が積もってしまえば、スイスイと踏破することができるのがスノーシュ、西洋かんじきだ。夜間に降った雪の後、翌朝、まさに汚れのない処女雪。お日様が輝きだしたら、いざ、ダイヤモンドダストが舞う純白の雪原へ出発だ。野鳥たちの囀り、鹿の警戒声などを聴きながらの散策は、とにかく気持ちいい。急斜面も何のその、雪さえあれば、大丈夫だ。気が付くとかなりの高さまで登っている。歩くことは、今から10年ほど前に勧められ、今ではお陰で毎日の習慣となっており、何ら抵抗はない。元々、バスをじっと待つよりは歩いてしまう方だ。スノーシュの楽しみを一度覚えると、はまってしまう。学生時代にスキーにはまったことがあるように、今は年齢のことも考え、スノーシュがお気に入りとなった。鹿や野ウサギ、テンなどの動物達の足跡をたどって行くのも、彼らの日常生活の一端が見えてきて楽しいしものだ。

「この小さな足跡、きっとヒメネズミだね」
「その後に続く少し大きな足跡は、たぶんテンかなんかだろうね」
「この木の切り株の下に二つの足跡が続いているよ」
「たぶん、テンが野ネズミの巣を追ってきたものだろう」
「自然の中では、常に命がけだね」
「さて、もう少し登ろう・・・ワッコラ、ワッコラ、ワッコラ」

そして、見晴らしのいい場所で、ネイチャーストーブで雪を溶かし、煎れたコーヒで一休みする。その際の必需品は、使いさしの割り箸。コンビニ弁当やカップラーメンを買う際には、不要でも必ず付けてもらっている。薪ストーブの着火材としても、とても良質な薪となる。コーヒーカップ片手に銀世界を眺めるのも至福のひと時だ。

京都山小屋の住人

(次回に続く)