第67章 雪の足跡はどこへ続く(2008.12.28)
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新雪が積もった朝、真っ白な雪に初めて足跡を付けたり、後ろ向きに大の字の姿のまま倒れて、新雪に大の字を刻む遊びは、大の大人にとっても楽しみの一つだ。でも、足跡を残すのは人だけじゃない。山小屋周辺で出会った足跡を紹介したい。

斜面に小さな規則正しいYの字の形が続いている。この足跡、いったい何の足跡だろうと?雪もやみ、風もない陽だまりのお天気の下、しばし観察して見ることにした。スノーシュで足跡が続く斜面を並行しながら登っていくと、所々に黄色いおしっこの跡も付いている。うん、この足跡の主は野うさぎと断定した。未だ、雪の中の野うさぎは見たことがないが、さぞかしかわいい姿でピョコタン、ピョコタンと斜面を駆け上って行ったことだろう。多分、毛も冬毛で白いだろうから、発見は難しいのかもしれない。しばらく、登ったところの木株の下で足跡は消えていた。ここが奴の棲家だろうか。家にいるペットのウサギよりは、逞しく生きている山小屋での小動物の代表選手だ。

野ウサギの足跡よりも、数倍大きなV字型の足跡もよく見かける。この足跡は、新雪のためもあり、かなり深く刻まれている。ということは、体重もそれなりにある動物だ。あっ、山の上の方でこちらを振り向いていた。おいどが魅力的なかわいい奴だ。雪の中で見る奴は、とても目が綺麗で、そしてかわいい。狩猟最盛期の今も、まだ生き残っている幸運な奴。初めて出合ったのも、こんな雪の中だった。あの時はとても感動した。そう、シカの足跡だった。

また、山の斜面で良く見かけるのが、一直線の一本の筋に出会う。中には複数あるものもある。始めは、何の足跡なのかよく分からなかったが、スノーシュで野山を駆けずり回っていて、その正体がわかった。雪のお団子の形跡だった。実際には風やスノーシュから弾き出された小さな氷の粒が、斜面を駈けずり降りて作られた軌跡。その他にも、狸や狐、テンなどの小動物の足跡も見つけることができる。

わっこら、わっこら、わっこら・・・

「さてと、ここいらでスノーシュを脱ごうか」
「新雪だし、一気に直滑で行くよ」
「Schi Heil !」

朝日に照らされ、雪面が青白く輝いてとても綺麗だ。その中を2本の筋がまっすぐと続いていた。また、その横の2本の線のところには、大きな穴が何箇所かあった。ところで、足元にあるこの大きな足跡、何だろう?

今年もお世話になりました。良いお年をお迎えください。除夜の鐘を撞きながら、新年を迎えたいと思います。

京都山小屋の住人

(次回に続く)