第9章 山菜で旬を味わう(2004.5.14)
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山菜が人気のようです。その背景には健康食ブームがある言われているが、よく分からない。言える事は、山菜が健康に良いとは限らないということだ。山菜の多くは、アクを多く含むものがあったり、間違えて食して、食中毒になったり、山菜取りによる沢からの転落や熊との大相撲などの事故もあり、都会暮らしの人たちには、やはり危険な食材の一つだろう。今では、都会のスーパーでもタラの芽やフキノトウ、こごみなど多くの山菜が売られるようになったが、その大半は栽培された規格された山菜だ。化学肥料や農薬も使われているかもしれない。でも、山菜は、地域によってその種類に違いはあっても、かつては、この季節のごく普通の食べ物として村社会では使われてきた。また、乾物や塩漬け、醤油漬けといった保存食としても大切なもの。

「あそこ、タラの芽とちゃうか」
「かなり、高いところやな。でもトゲなさそうだよ。ひょっとして・・・辞めとこか」
「何か、少し痒ゆうなってこないか」

「足元にあるのトリカブトちゃうか?」
「毒は根っこに多くあるというけど、葉っぱにもあると云われているよ」
「一度、実験して見ようか」
「誰に?」
「大丈夫、保険金をかけられへん渓流魚」
「一網打尽ってかぁ。でも、それ食ったら食物連鎖じゃないか」

「あそこで、ハイカーたちが山菜採りしちょるよ」
「エッ、先日、釣りの最中、催した場所だ。でも、ちゃんと埋めておいたよ」
「そんじゃ、化学肥料よりは遅効性だけど、栄養価はかなり高いね」
「毎日、納豆と味噌汁食うちょるよ」
「へぇ、納豆何んてよう食うなぁ」
「僕、東京人さぁ」

山小屋へ続く川沿いの道端にも、春になると多くの山菜が芽を出して来るが、その数や種類は昔に比べると、かなり減っているそうです。その原因は河川のコンクリート護岸工事や酸性雨などが影響しているのかもしれない。でも、正直の所、山菜摘みから料理まではかなり面倒な作業。ご近所のお宅でご馳走になる山菜や料亭で頂く山菜料理が一番美味しい。天ぷらで食するのが一般だが、正直、苦いだけでそんなに美味しくない。やはり、山椒とじゃこなどと甘辛煮する料理が格別だ。山菜は根こそぎ取らない、自分で食べられる量だけ摘む、私有地には入らないなど、山菜取りのルールは守っている。

今年もおいしい春の旬・自然の恵みを少しだけご馳走になりました。

京都山小屋の住人

(次回に続く)