第74章 大鍋料理はスリル満点(2009.11.3)  
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大鍋料理は、男の料理と思っていたが、料理の基本となる「素材」「調味料」「火」の扱い方であることに変わりはない。大きな違いは火の扱い方が、台所でのそれとは大きく違うこと位だろう。台所で使うガス火力は、ガス台で五右衛門風呂を沸かすスケールの違いはある。火加減よりは、素早く大きな火を起こし、それを安定させる火にすることがポイントである。キャンプなどで経験のある場合は、いとも簡単な火起こし作業であるが、経験がないとこれがなかなか上手くいかないものだ。でもそれも、また楽しである。

今回の大鍋でのイベントは芋煮会。東北地方で行われる秋の河川敷などで行われる季節行事の一つである。大鍋の直径は1メートル程度、重さ20キロの鉄なべ・蓋なし。以下、レシピを紹介する。「空で熱っしられた大鍋にごま油を入れ、予め下茹した材料(里芋、蒟蒻、人参、牛蒡)、牛肉、舞茸を炒めた後で、日本酒を丸ごとぶっこむ。アルコール分が飛んだ後、だし汁を入れ、醤油、てんさい糖で味付け、最後にごま油と白葱」。

ここからが料理のノウハウだ。

@里芋は皮を剥いた後、簡単に下湯でし灰汁を取る

Aササガキ済みの人参、牛蒡は、簡単に下湯でし灰汁を取る。

B蒟蒻(山形産の「玉蒟蒻」がベスト)は茹でた後、冷めてから手で適当な大きさに千切る。

C舞茸(栽培もの)は根っこの部分は包丁で切り、後は蒟蒻と同様、手で適当な大きさに千切る。

D牛肉(外国産で十分)は包丁で適当な大きさで切っておく。

E白葱(京都九条ネギより「千住ネギ」がベスト)は多めに荒く切っておく。

Fだし汁は多めに用意しておく。

(以上、下準備)

さてこれからが、本番の料理だ。

@熱しられた大鍋にごま油を入れると1メートル以上の火柱が上がる。これで怯んでは後の手順が疎かになる。

A間髪を入れず、下準備した材料@〜Dを大鍋にぶち込み、炒める。火柱は直ぐに収まるだろう。手際よさが鍵となる。

B食材が焦げる前に、日本酒をまずは味見した後で、なみなみと1本鍋に入れる。

Cアルコール分が飛んだ後、だし汁を入れ、芋が軟らかくなるまで煮る。

D醤油(今回は金沢産)、てんさい糖(これがベストだ)で味付けする。味は甘辛いすき焼きの汁の味付け。

E最後にたっぷりの白葱と再度、ごま油をたらして出来上がりだ。

ここで要注意となるプロセスは、日本酒の味見、つい調子に乗ると大半が腹の中ということになり兼ねない。また、灰汁を取る段階でのつまみ喰い、そして灰汁が出るが、夜間の屋外や裸電球一つの暗い中ではそれが灰汁かどうか、よくわからないこと、さらに、蓋もないと、火の粉だけでなく様々なものが鍋に入ることだろう。「飛んで火に入る秋の○」などもあるかもしれない。

火を囲みワイワイ、ガヤガヤの中での鍋は美味であることは保証済み。ごま油の香りがたまらない。大鍋の締めは讃岐うどんでも入れたら至福の時となるだろう。大鍋は完食となった。でも、あれほどの火柱が上がったことは予想外だったが、東屋の骨組みの横木をリフトアップするのに苦労はしたが、結果、屋根の高さを高くしておいて良かった。最後は火の後始末だけは念入りにしたい。次回までに大蓋を作製しようか。こんな料理だが希望の方、参加されたし。おしょうしなでした。

「あれ、焼き芋している間に、やけに具少なくなったなぁ」
「さっき、火の見張りしていた時はもっと具沢山だったよ」
「煮込み過ぎて溶けてしまったのかなぁ」
「コンニャク、舞茸うまいね」
「すき焼き風でうまいよ」
「それにしても具どこに行ったんだろう」
「・・・ごめん、ついつまみ過ぎた」

京都山小屋の住人

(次回に続く)