山小屋作業日記 2008年 

by 京都@山小屋の住人

2008年

1/3-4
積雪10cmの山小屋周辺。昨晩も晴れて星が輝いていたと思ったら、急に雪になった。昨晩は比較的暖かったが、朝方はかなり冷えていた。久しぶりに湯たんぽを使う。晩に懐中電灯一つでトイレ小屋の電気配線を再整備、さすがに寒く凍えた。鹿避け内の整備を兼ね、焚き火をしながら焼き芋を頬張った。今年は神社に行けないため、御札も焼いた。昨年の冬はスノータイヤに履き替えなかったが、今年は重い腰を上げ交換した。腰がきつい。

1/25-26
大寒の後が冬の本番。一昨期は大雪、昨期は雪が少なく、今年はやっとまとまった雪が降った。積雪40cm、吹溜りでは60cm程度。山小屋入り口から二百メートルほどラッセル。雪は不思議と寒くない。昨晩は囲炉裏を囲んでおでん(関東煮)。夜中、ピーピーと鳴く声が聴こえた。雪に覆われながら熟睡。山小屋屋根の太陽電池はすっぽり雪の中。軒下のもう一枚のパネルが稼動。バッテリは青信号から赤信号へ。

2月
今年は雪多し。積雪1,200mm。スノーモービルやスノーシュでも踏破できず。地球環境のためにもしばし冬眠。ほなぁ雪解けまでTraume Susse ! ・・・スー・スー・スー・・・。ところで鴨川で14日の朝に鶯の初囀りを聴いた。へたくそでまだ聴くに耐えない囀りだったが、春はそこまで来ている。今年は冬がしっかりと到来した分、春もりっぱに立つことでしょう。春よ来い、早く来い。

3/4-5
ラッセルで山小屋到達。今年は大雪で、ストーブの煙突、電気線の断線、炭焼き小屋の崩壊などに被害が出た。山小屋周囲の雪を除雪した。

3/11-12
あまご解禁するもまだ雪深し。ラッセルを避け、渓流沿いで山小屋を目指す。雪面には鹿や小動物の足跡が続いている。雪で倒壊した炭焼き小屋を除き、雪の被害を補修した。この分だと、雪がなくなるのは、3月末か、4月に入ってからとなるだろう。廃油ロウソクの仄かな灯りを楽しむ。昨夜は渓流の音が大きく聞こえた。雪解け水が今年は豊富。今朝は10時頃まで靄がかかっていた。杉林の葉はいつの間にか緑から茶色に変色していた。まもなく花粉が風に乗って飛散する。でも、雪の結晶の凸凹が飛散する花粉を吸収するため、山小屋周辺はまったく問題ないだろう。アスファルトジャングルではこれからがしんどいシーズンが到来する。

4/4-5
すっかり雪はなかったが、桜はまだ蕾、山の落葉樹の芽もまだ硬かった。高雄の山つつじは色づき出した。昨晩は薪ストーブで暖をとる。太陽パネルを1枚増設、システムも見直した。さらに4枚のパネルも別システムで増設予定。鹿避け網のどこからか鹿進入形跡。網の幅を増やす必要あり。やっとラジアルタイヤを履き替えた。帰路ガソリン補給ランプが点ったが、山越え強行。冷や冷やながらかろじて高雄のGSに滑り込めた、山越え前のガソリン価格148円/L、高雄は125円だったので23円×40L=920円の差額。ガス欠でヒヤヒヤした分、気分的には損をしたかなぁ。でも、補給ランプ後の走行可能距離を把握できたことは良かった。

4/11-12

真夜中に山小屋着。薪ストーブに火を入れ、床につく。翌朝は6時半に目を覚ます。太陽パネルの第二システムづくりを試行錯誤しながらも稼動した。パネル(HOXAN:H-4810)定格出力40W×4、コントローラ最大10A、インバータ300W(最初に購入した分)、G&Yu:SMF27MS-730バッテリ:105A。電流・電圧測定器の電池も交換し確認もした。前回、移動した第一システムも正常に稼働中。山小屋を去る前に、椎茸を山盛りに収穫。山椒の芽も少し出てきた。冬に失くした、かんじきの片方を山道で発見した。そろそろ、桜が色づき始めた。

(利用アプリ)
第一システム1000w(従):1号棟、風呂小屋
第二システム300w(新):2号棟、トイレ小屋
※増設電源:テラス設置水場用ポンプ(第一)トイレ用ポンプ(第二)

4/26
お昼前に山小屋着。冬開けの山小屋大掃除。水タンク内もきれいにして、五右衛門風呂も掃除。2系統の電気を再度、見直した。桜が満開、山ツツジも咲いていた。直流ポンプのパワー不足で、トイレまで水が到達できなかった。鹿避けの網を見直した。どんぐりの苗を持参したが、植林は次回に、今回は、昨秋の昼の散歩時に採取したバケツ半分ほどのコスモス(秋桜)の種を山の斜面に直播した。

4/28-30
午後7時半前に山小屋着。既に先客らも山小屋前で発電機を回して待機。久しぶりにゴール(柴犬)もやってきた。少し肌寒かったが、火を囲んで夜中過ぎまで焼肉パーティ。今回は計4名で山小屋に泊まった。翌朝は早朝からトイレ騒動で始まった。なんと完成後、未使用であったトイレログの大の第一号となった客人が水洗タンクに水がなくて困っていた。まさか、利用することは想定外だった。紙も便器の中、利用方法を説明の上、渓流から水を汲み上げるためバケツリレー。ひと騒動の後、団栗の植林を行ってから、パネルの設置固定と山菜採り。昼食は素麺と山盛りタラの芽の天ぷら。昼からは土石流で埋まった土管探し、スコップとツルハシで土方仕事、1時間程で掘り起こした。これで当面、雨も大丈夫だろう。一年に一回、山道を整備してくれるが、これも道路特定財源の恩恵だろう。でも、今後は遠慮したい。自分専用に近い山道に血税を投入してもらうには、働きが足りない。夕方には、前回に続き鹿網の補強。最後は薪炊きで久しぶりの五右衛門風呂につかる。煙突を高くした分、竈の空気の流れも良くなった。今朝は大2号の栄誉となった。臭突を稼動。今年も仙台から春の恵みの山菜が届いた。コシアブラ、コゴミ、タラの芽。タラの芽は山小屋で採ったものより蕾状態の立派なもの。コシアブラも最高。天ぷらの他、コゴミとコシアブラは和え物にした。今年も春の恵みに感謝。

5/31-6/01
梅雨模様も山小屋到着ころにはやみ、天気は急速に回復。早速、簡易水道用にポリパイプ2級管の敷設に取り掛かる。試行錯誤の上、水が勢いよく出た。水洗トイレへも分水。でも、3時間ほど経つ頃には勢い劣化。翌朝、残りのホースをジョイントし、総延長117m程度にするも、しばらくすると同様に勢い劣化。切れのない前立腺肥大状態。原因は採水口のごみ取りキャップの目詰まり。このキャップをやめ、100キン製ザルを二重構造で利用。テラス横の水場は便利だが、定期メンテは必須。太陽パネルシステムは充電、消費しながら稼動。昨晩は五右衛門風呂の後のビールで、気持ちよく8時半には就寝、さすがに真夜中過ぎに目が覚め、それから白々と夜が明けてから二度寝。昼過ぎに大阪のナナハンライダーが2時間かけ山小屋に来た。帰りに広河原の喫茶店に1年半ぶりに寄る。今回は他に、テラスのペンキ塗りと山椒の実の採取、ミョウガの苗植え。先月蒔いたバケツ半分ほどのコスモスが、たくさん発芽。漆黒の闇があるこの環境は、コスモスには最適だろう。早くも秋が楽しみ。

7/4-5
昨晩は漆黒の世界の蛍火を観賞。昨晩は薪だけで五右衛門風呂を沸かした。所要時間1時間弱。渓流沿いを上流・下流へと行ったり来たりしていた。簡易水道はしっかりと機能していた。取水口の掃除もした。ポンプで汲み上げる風呂タンクをやめて、簡易水道を分水する工事を、ツルハシとスコップで行った。水タンクはトイレの給水にするため、トイレログ横に移設。また、網で囲った中の草むしりもした。生存競争、自然の勢いのすごさを実感した。真夏日の炎天下、汗だくのハードな一日だった。大きな入道雲が空にあった。梅雨明けまでに、もう一雨、二雨ほしい。まだ、蝉時雨は聞かれない。

7/27-28
この冬までに風呂小屋の屋根補修が必要となってきた。トイレの水漏れ補修にも着手。そろそろ、いろんな箇所の補修が必要な時期に入る。携帯電話の微弱電波の発信元を特定。今日の昼前、西から徐々に雨がやってくる状況を観察。森の木々の雨音が教えてくれた。しばらくの間、雨が降っている場所と降っていない場所の境目に山小屋が位置していた。昨日、夕暮れ前に、教えてくれた氏神様の祠に行ってきた。同僚の手術の無事を祈った。夕暮れの中、蝉時雨を聞きながら五右衛門風呂につかった。日中の蒸し暑さとは、打って変わり、昨晩は涼しかった。今回は同じ感性のライフスタイルを持つ人との出会いや新たに茅葺の家の住人となる人の話などを聞くことができた。さらに、限界集落の地元の本音を聞くこともできた。デジタル放送、携帯電話、インターネットといったデジタル化弱者の陳情もままならない。単にデジタルデバイド問題だけでなく、新聞(果たして、そう呼べるのか)が郵便で翌日に届く日常の中、都会一極集中の経済至上主義の歪みをどう解決すればいいのだろう。昔より、生活の質、不安感は厳しくなっている。まずは、一ちゃん、政治の力に期待したい。山小屋山道の整備は、今年は期待できない、むしろ歓迎したい。

7/31
午前中に山小屋着。前回と同様、鹿の親子連れが食事のため散歩中。トイレ便器の補修とガス管敷設。風呂小屋屋根補修のため、杉板4000mm、幅250mm、厚み均等を16枚程度お願いした。透明アクリル板か、強化ガラスで天窓を作ろうと計画中。天空の夜空の星を見ながら五右衛門風呂、山小屋での贅沢一番。

8/8-9
昨晩は雷が続いていた。そのためBS放送見えず、代わりに電波状況が悪いラジオで北京オリンピックの開会式を聴いた。まるで外国で紅白放送を聞くような感覚、想像力を働かしながら楽しんだ。今朝はテレビが見えたので、開会式を見た。ラジオと比較すると、アナウンサーやゲストの表現力の乏しさが際立った。「あっ、すごい!」では、ただの見物人の領域。映像には言葉が、不要な場合もあるんだろう。風呂小屋屋根の補修で屋根を剥がすと、横木が傷んでいた。丸太を横木がわりにしようと、ストックしていた丸太杉を5本選び、杉皮剥きや節を整えた。次回、引き続き作業。炎天下の作業は厳しい。トイレも修理した。

京都@山小屋の住人