第23章 薪ストーブは文明の機器との戦い(2004.12.11)  
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山の冬は早い。晩秋はあっという間に過ぎ、底冷えのする冬が到来する。この季節、晴れの日でも日中のお日様は僅かの時間、顔を出すだけです。大半は北から冬将軍が降りてきて、どんよりとした厚い雲で覆われた灰色の日が続く。そして、空から雪も舞ってくる。

こんな季節になくてはならないものは、ストーブ。石油ストーブは便利で、扱い易い暖の一つですが、やはり薪ストーブには適わない。燃焼パワーが高いため、石油ストーブに比べて、はるかに暖かい。山小屋の冬は市街地に比べて、四季を通じて5度から10度の気温が違う。また、山小屋の中は空間的に高さがあるため、石油ストーブではパワー不足気味。薪ストーブがあれば、外は寒いけれど、小屋の中は小春日和、半袖でも過ごすことができる。

「薪ストーブ、いいね。この炎の揺らめきと薪が弾く音がなんとも言えないね」
「でも、これまでの準備が大変だよ。間伐材の切り出しから薪割りとほんと重労働だよ」
「確かに、忙しそうや。薪くべも大変やなぁ」
「まるで、ストーブのお守をしている感じや」
「ボゥとしている暇もなさそうやね。やはり石油ストーブがいいかなぁ」
「でも、石油ストーブだって同じこと。灯油を入れるのも面倒だしね」
「そうやなぁ」
「暖をとることもあるけど、楽しむことが一番だから、これでいいの」
「なるほどね」

とは、いいつつも石油ストーブも山小屋に運んだ。

「朝方、冷えたね」
「今朝の気温:▲5度。寒すぎて雪は降らないね」
「この石油ストーブ、お湯も沸かせて便利やけど、寒いなぁ」

小さなログハウスだがロフトがあるため、空間的には広く、温まるためには相当なパワーが必要。冬、外は白銀の世界の中、山小屋は静寂に包まれる。山も清流も静かに冬眠中の世界。こんな厳しい環境ではあるが、一番、好きな季節でもある。真っ赤に燃える薪ストーブの前で何も考える必要もない時間、コーヒカップ片手に一番贅沢なひとときだ。

京都山小屋の住人

(次回に続く)