第19章 山燃えゆ(2004.10.30)  
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昨年の今ごろは、枕木橋作りも終わり、土木業者さんによる山小屋用の基礎づくりを見守っていた。もうすぐ、晩秋に入り、今年も山が燃える様な紅葉のシーズンとなる。昨年は紅葉を見る余裕もなく、ログ組みに熱中していたが、今年は、のんびり紅葉狩りを楽しめそうだ。今はきのこシーズン、熊さんもお散歩している様なので、あまり山奥へ入ることは遠慮しておこう。

ところで、京都市内や高雄などは紅葉が始まってきた。光明寺や龍安寺、東福寺など大変綺麗な紅葉の庭園も多いが、あの人ごみやマイカー族の喧騒が気に入らない。さらに、紅葉やどうだんツツジ中心の創られたお庭もどうも趣向に合わない。。観光寺ではないものの、形式的な入園料(正式には拝観料)を支払うことにもやや抵抗がある。そんな風に京都を斜から見ている自分だが、実は、今回「京都・観光文化認定試験(京都認定)」にチャレンジしようと思っている。この試験、認定試験の類では空前のヒットだそうで、公式テキストが3万部以上売れたとのこと。京都ブランドは確かにあるなと改めて、感心した次第だ。確かに、このテキストは一般的な観光案内書よりも、写真は少ないが、奥が深く、網羅的な本だ。この試験がどう今後、発展していくのか、興味深いところだ。

話が逸れたが、山小屋周辺の里山の紅葉は素朴で、とても力強い紅葉だ。色も赤だけでなく、黄色なども混じり、とても賑やかな色で染まる。でも、一番のお気に入りは、その静寂さだ。鳥や鹿の鳴き声、風による木々や葉が揺れ動く音、自然そのものが聴こえてくる。

特に、空気が済む早朝の紅葉は、霞がかかり、神秘そのもだ。山にカミが棲むことを感じることができる瞬間でもある。

「パチ、パチ」「パチ、パチ」「パチ、パチ」「パチ、パチ」
「拍手を打つと、なんか、身も心も澄む感じがするね」
「山のカミのお許しを得てからじゃないと、バチが当るしなぁ」
「そやね。ほぉ、あそこの山が燃えるように見えてきたね」
「うん、でも、あそこのハゲ山を紅葉で染めたいなぁ」
「人工植毛とは行かないし、かなり時間がかかりそうだね」
「多分、100年経っても、元の自然には戻らないよ。息の長い駅伝マラソンに近いかもしれないなぁ」
「あっ、今、鹿が鳴いたよ」


京都山小屋の住人