第46章 行きつけの喫茶店(2006.7.29)

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山小屋の近くにお気に入りの場所がある。でも、学生街の喫茶店ではない。天然水のコーヒーを出してくれる自然のど真ん中の喫茶店だ。今はログハウス風の作りで山小屋よりも立派なお店です。昔はもっと味のある小屋のお店でした。学生の頃は、この店の子供たちと近くの渓流で魚捕りに興じ、その汚れを落とすため、お風呂に入り、夕食を頂いたこともあった。20年間の歳月を空け、京大演習林への取材関係の帰りに偶然立ち寄ったのをきっかけに、その後、あまご釣りにはまり、また、頻繁に通うようになった。でも20年の歳月は、不思議と空白の期間としてではなく感じられるところがとても不思議だ。多分、仕事で住む世界とまったく反対軸の世界がここにあるという事かもしれない。それは空白の歳月よりも、もっと昔から長く親しんでいたどこか懐かしい世界だったのかもしれない。また、心の片隅で静かに憧れに近い感情を抱いていたのかもしれない。

今は僅かの時間だけど、頻繁にこの世界に足を運ぶことで、新たな発想や実行力の源泉になっていることは確かだ。ギヤチェンジして、戻っていく感じかなぁ。少し大袈裟に言えば、自然から知の源泉を頂くことかもしれない。

山小屋を建てるきっかけもこのお店だ。そして、山菜採りや鮎釣り、素潜り漁なども経験した。この先、まだ多くの楽しみがあるに違いない。

「あそこの祠の後ろにある大木を見てきてご覧」
「あっ、大きな穴があるよぉ、これ何の穴?」
「獣の冬のお宿、熊の冬眠する棲み家だよ」
「へぇ、こんなところに穴があるなんて、不思議な感じがするねぇ」
「来春も親子熊がこの穴から出て行くか、楽しみにしているよ」
「・・・・・」
「誰にも言うなよ、世間は熊が出たぐらいでうるさいからなぁ」

京都山小屋の住人

(次回に続く)