第20章 渓流は山の健康のバロメータ(2004.11.03)  
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清い渓流には、ヤマメや鮎、沢蟹、山椒魚などの生きものが生息している。そんな生きものの恵みの恩恵も受けられるのも、この渓流のお陰だ。水もそのまま飲むこともできる。また、その水を汲んで、五右衛門風呂につかり、一日の疲れを癒してもくれる。

渓流のせせらぎの音は、四季を通じて異なる。

春、雪解け水により、ちょろちょろと聴こえる。その音も徐々に大きくなる。

夏、清流は束の間の成夏を楽しむように、その流れは力強い音に聴こえる。

秋、冬の準備が忙しのか、清流の音も心地よいものとなりつつある。

冬、雪に覆われ、清流も冬眠すかのように、静寂そのものとなる。

ところが、今年は夏の豪雨や台風の影響もあり、渓流の姿も豹変した。時間辺り100mmの降雨量のパワーは、澄んだ渓流をたちまち、泥水の排水溝と化す。大きな石もコロコロと流れていく。

先日の台風では、山小屋の近くにある渓流幅30pを3mに拡げていった。そう土石流が発生したのだ。こうも山の上に枯れた巨木があったのかと思うぐらい、その量とパワーには圧倒される。本当に想定外のことだった。人家も何もかも押し流す土石流は、毎年、山国である日本のどこかで発生する。日頃から、何でこんな場所でこんなことが起きるなんてということが、多々ある。やはり、そこには原因がある。残念なことに、その兆候を気づかないだけだ。一度、自然に対する動物的感性を高めて、辺りを点検の必要がある様だ。

昔は雪害なので、倒木した木々を焚き木などの利用して、自然サイクルを維持していた。不便だけど、薪作りはしんどいけど、そんな自然サイクルに調和した生き方に憧れを抱く者のひとり。

「この渓流の音がいんんだなぁ」
「でも、豪雨時の渓流の音、ものすごいよ」
「どんな感じになるの」
「そうだなぁ、雷の音のような、ゴロゴロと石が流れる音がすごいよ」
「怖いね」
「雨が降って、わずかの時間でそうなるんだから、山の”ちりょく”が弱いんだなぁ」
「ちりょく?、知力って、よほどお頭が弱い山なのかなぁ」
「たぶん、君と同じレベルのちりょくだよ」
「どういう意味やね」
「山も体力勝負という意味や」
「褒めてくれたのかぁ。おおきに!」
「・・・・・(おばか)」
京都山小屋の住人

(次回に続く)