第78章 カメムシ対策は忍・忍(ニンニン)(2010.5.5)
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カメムシ、六角形した平たい虫。中には細長いものもいるが、彼は六角形のものと違い集団では行動していない。カメムシはなんとも言えない匂いを放つことから、別名、「クサムシ」や「屁こき虫」、「へクサ虫」などと呼ばれている人間どもには嫌われ者である。匂いも嫌だが、決まって夜中、寝ているところにブーンと飛んできて顔や頭にぶつかってくる。安眠妨害罪で叩き潰してやりたい心境だが、強烈な匂いという武器を備えており、迂闊には手を出せない。奴らは晩秋になると大群で押し寄せてきては、寒い冬をぬくぬくの家の中で過ごし、初夏になり、霜の心配がなくなると、いつの間にやら出て行く。

奴らの習性として、狭い隙間の空間に棲みつく「閉所歓迎症候群」がある。さらに「几帳面症候群」でもある。狭い箪笥の後ろなどに整列して並んでいる。お互いのお尻に頭をつけて整列、縦列して越冬しているのである。おそらく、外部からの攻撃があれば、あの臭い分泌物を噴霧することで、他の仲間たちは冬眠中からすばやく目覚め、避難することができるための知恵と考えられるが、整然と整列した姿は滑稽である。そんな中で一つ気になる点は、どんな奴が先頭になるんだろうかということ。余程、勇敢なカメムシ、カメムシの中のカメムシということだろう。そんな大群を発見するや否や、箒と塵取り片手に、気づかれないようにそっと背後から近づき、一網打尽に掃き出し、直ちに雪上にばら撒いてやる。あるいは薪ストーブの中で完全に灰と化する。多分にサディスティックな面があるが、人と共存できるものと、なかなか共存できないものがいるため、どうしても殺生は避けて通れない。合掌。

「薪ストーブに2、3本薪をくめてから床に入ろう」
「湯たんぽもぬくぬくで気持ちいいね」
「くれぐれも口を開けたまま、寝ないほうがいいよ」
「どういうこと」
「スー、スー、スー・・・」

しばらくすると、どこからともなく

「ブーン、ブーン、パタッ・・・ブーン、ブーン、パタッ」
「エッ、何やら耳元に飛んできた」
「ウーン、何だよ。あーヘクサムシだよ。触るとえらい事になるよ」
「こそばゆいよ」
「ブーン、ブーン、パタッ・・・ブーン、ブーン、パタッ」
「あっ、今度は鼻の頭にやってきたよ」
「布団かぶって寝ることだ」

今年の春は寒さも続いたため、なかなか外に旅立とうとしなかった。この季節になれば、無駄な殺生はやめて、もうしばらく忍ぶ忍ばずで辛抱しようと思う。

ところで、カメムシの習性でもある「閉所歓迎症候群」を利用して一網打尽捕獲器を設置しようと考えている。設置場所に適したものを3点ほど試作して、この秋にでも試して見よう。その成果はまた写真にでも公開しようか。

京都山小屋の住人

(次回に続く)