第59章 稲刈りは腰にくる(2008.10.1)
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まだまだ夏盛りの9月中旬、「安全・安心・食育」を合言葉に稲作プロジェクトの収穫祭。皐月晴れの中の田植えからわずか4箇月半、早くも豊作の実りとなった。早稲種の「秋の詩」は、コシヒカリ系統のお米。粘りが強く極良食味で、粒も大きい分、しっかりと炊き上がるという。頭の垂れた稲穂の田んぼ、一面、黄金色に輝き、時おり、琵琶湖からの気持ちのよい風を受け、サワサワと音を立てる。田んぼの中の稲穂が、道を作るかのうように、サーッと音を立て波立っていく。

今まで、何回か、稲刈りは体験している。釜を右手に、左手で稲の根元の束をしっかり握り、釜をあてグッと手前に引く。腰のベルトに挟んだ藁を使い、その都度、刈り取った稲穂の根元をしっかり縛る。この縛る作業に熟練度の差が出てくる。干す方法は、地方により、あるいは手間を省くため、様々な方法がある。当然、お天道様の天日干しに軍配が上がることはいうまでもない。一本一本、杭を田んぼに立て、そこに稲の束を交互に杭の上方向に置いていく方法は、一人で作業ができる利点はあるが、へな猪口に杭を立てると、稲を積む途中で傾いてしまう。その分、腹がめっきり減り、腰にもくる厳しい作業だが、お天道様に稲穂を照射させることで、ゆっくりと、じっくりと乾燥させ、旨味も出てくる。自然乾燥、天然乾燥が、最高のお米を仕上げることになる。

「あ〜腰が痛い」
「腰を曲げたままの作業は厳しいね」
「これも塩むすびのためと思えば、楽しいもんだよ」
「でも、たらこや海老天入りのおむすびの方がいいなぁ」
「大人の味が分から奴やね」
「おむすびに大人の味も何もないんじゃないの、ただの貧乏たれだよ」
「分かってないなぁ、これから進む道が君には」
「どんな道・・・」

さて、これからどんな道となるんだろうか。坂道は転がりだすととても速いのも真実。変革を求めるもよし、指を加えて待つもよし。適当に自然に生きることで、必ず水到渠成だろう。いずれにしても、近い将来、関西では二毛作、三毛作は当たり前の自然環境になるだろうから、主食には困らないだろう。島国・山国日本、平和でさえあれば、喰うことには心配ご無用だ。そこまで我慢できるか否かだ。

でも、まずは目先の新米の到着が待ち遠しい・・・松茸・秋刀魚・クリタケetc、山小屋での秋の味覚三昧が到来する。

京都山小屋の住人

(次回に続く)