第7章 生き物たちに感謝(2004.4.28)
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里山の生き物の代表格は、鹿。昼間でも時折、渓流釣りをしていると出会うことがある。冬季の雪中で村人に発見されると、食用目的で残念ながら撲殺されることが多い。現在、山の鹿は生態系のバランスが崩れるほど、増えていると言われる。真昼間にも見かけるのは、やはり増えすぎているのかもしれない。奈良公園の鹿ではないですからね。しかし、これら生き物たちは、もっぱら夜間、人間たちが寝静まった頃を見計らって活動する。鹿以外には、狸、狐、ハクビシンなどがちょこちょこ登場する。未だ熊や猪にはお目にかかったことはないが、当然、棲んでいる。確かに、大木の根元の腐ったところが、熊の寝床となっていると思われる場所がある。きっと冬季、冬眠しているのだろう。今度、雪をかきわけ、勇気を出して、そっと覗いてみたい。気持ちよく、冬眠しているかもしれない。

哺乳類以外の生き物としては、水辺や水溜りには、「イモリ」(アカハラ)や「もりあおがえる」が見られる。イモリを空揚げや素焼きにして食すると精力満点と言われている。そう、『媚薬』の一種で、東京アメ横辺りの漢方薬店でよく売られていると聞かされた。

「あぁっ、それ聞いたことあるなぁ。でも、それって、少し怪しいよね」
「イモリって実はフグの毒と同じテトロドトキシンを持っているんよ」
「ええっ。それじゃ食べたら死んじゃうじゃないの」
「大丈夫。人間そんな柔じゃない。そんりゃ100匹一度に食したら、死ぬ可能性はあるんやけど」
「数匹ぐらいなら、『どきどき』とトキメクことになるらしいんよ」
「そんなるとイモリの黒焼きも、あながち効果のないものじゃないんか・・・?」
「高所のイモリは毒があると言うけど、他は毒のある種類のものじゃないらしいんよ」
「すると『媚薬』(惚れ薬)ではないけど、やっぱ精力ギンギンのようやね」
「Are you try it !」

一方、森青蛙(あおがえる科)は、雨蛙より一回り大きい青蛙。6月梅雨に入ると、暗い森の中の池などで水面の上の木に白いムース状の卵を産み付ける。その営みはそれは感動ものだ。営みの後は、青葉に白い花が咲いたような光景になる。そして、しばらくするとムース状の泡の卵が孵ると上手く水に落ちる。水溜りには、それはもう大量のおたまじゃくしがうごめいている。

「おたまの踊り食いしましょか?」「今度、勇気を出して、挑戦して見ません?」

鹿肉、猪肉、熊肉や渓流のあまごやアユの塩焼き、そして沢蟹までは、から揚げで食したことがある。

それにしても、厳しい自然の中で賢明に生きている生き物たち。そんな彼らの姿を見かけると、実は、自然の大きさに畏れと敬意を表したくなる。これからも、かれらの環境を崩さない間を保ちながら、可能な限り、共存していきたい。食に感謝、合掌。

それにしても、春到来、まだ鶯の鳴き声は下手やけど、これからいい声を聞かせてくれることだろう。

京都山小屋の住人

(次回に続く)