第95章 渓流の再橋架け(2016.5.2)
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2003年の入山時に架けた橋のことを「渓流の幅は6〜7メートル程度、土手の深さは1メートル。水量は雪解け水で豊富な春季でも20センチ、乾季ではちょろちょろと5センチ程度。でも、橋がないとログ搬送などにも苦労する」と記述している。そんな橋が2014年のお盆の16日の大豪雨で土手がえぐられ、鉄道レールと枕木も流された。鉄道レールの重量は推定1本300キロ、枕木の重さは1本80キロ。枕木は何とか、人力で動かしたり、抱えてある程度の距離は移動できる。しかし、鉄道レールはび微動だにしない。やっとのことで枕木15本を回収、でも、50〜200メートル流されている4本は未回収のまま。

こんな中で再度、人力で橋を架ける計画を実行した。

まずはえぐられた土手の形成だ。渓流にある無数の石をえぐれた岸に運んだり、投げたりして、そこそこの石の小山を形成した。こんなもんで土台として大丈夫だろうかと思いながら、黙々と小山づくりを1ヶ月ほど行った。そんな中、テレビのダッシュ島で石垣づくりをたまたま見た。これは活けると思いながら、いつもの散策道にある二条城のお堀の石を利用した堀川沿いの石垣を観察することにした。石組みの基本を体感した後は、これを実践した。渓流にある石の特徴は、日頃の渓流での遊びの中と石の小山づくりで、把握していたので、あとは黙々と石を積む。単純のようで石の個性もあり、石組みは奥が深く、楽しく進めることができた。近場にある大きな岩を転がしながら、徐々に収集範囲を拡げ、渓流の両サイドの石組みに着手。作業の期間中、また大雨があり、前回の洪水時に堆積していた砂利地をすっきりと洗い流してくれたこともあり、スコップでの除去作業の手間も省け、昨年の夏から約2ヶ月で橋の土台となる土手を完了した。

次は4本の重量級の鋼鉄製レール、櫓とする丸太を2本切り出してから、長めのものと短めのもの、各3本の櫓用丸太にした。櫓組みの知識は、日本園芸組合連合会作成の「人力による運搬組立て工法の手引」が役立った。チェーンブロックは中国製だったが、何とか機能し、重いレールを慎重に移動させながら、新たに石組みした土台に設置。あとは、これも重い枕木の移動、あるときは抱えながら、あるいは丸太をローラにし、悪戦苦闘しつつも、すべてレールの上に移動することができた。最後に不足していた枕木に代わり、切り出しておいた丸太と以前の風呂小屋で使用していた床板を工夫して橋桁とし完成した。

2014年夏の災害から約2年をかけ、まずは橋を復旧することができた。今回はしんどかった。

「この橋の横にある杉のおかげで、地面がえぐられないで済んだようだね」

「この木、10年前は細い幼木、ここ数年で急に成長した木だよ」

「横の1本は倒れてしまったが、そのお陰でこの木は踏ん張ってくれた」

「もっと太くなれば、土手の強度も高まるだろうね」

「枝打ちの手入れをして立派なご神木にするよ・・・消災妙吉祥神呪」

京都山小屋の住人

(次回に続く)