第63章 変わらぬことなど有り得ないのだが・・・(2008.11.16)
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世の中、様々なことがめまぐるしく動いているが、そこにはなるようにしかならないものと、人の意思で動かされているものがある。最近は、自然環境も含め、必然的なものが必然的にならない状況が起きているところに、現代の社会の諸々の問題があるのだろう。山小屋での変わらないこととは、四季の中の変わらぬ生命の営みがある。二十四節気の山小屋での変わらないイベントを書き留める。

<春>
◆立春(2月4日)

 そろそろ、太陽が北に向けて方向転換を始める時期。輝きのある樹氷の世界に巡り合うことがある。

◆啓蟄(3月6日)

 雪解け水が山道を下る。山女(あまご)釣りの季節だ。フキノトウが顔を出す。

◆三月 清明(4月5日)- 穀雨(4月20日)

 草木が芽生え、山が笑い出す季節だ。春来草自生。

<夏>
◆立夏(5月5日)- 夏至(6月21日)

 五月晴れ・梅雨入り。モリアオガエルの産卵。山菜採り。生命のパワーを一番感じる季節だ。

◆六月 小暑(7月7日)- 大暑(7月23日)

 蛍の乱舞、蛍のトンネル。ツツドリ、繁殖期のオスは「ポポー、ポポー」と繰り返し鳴く。

<秋>
◆七月 立秋(8月7日)- 処暑(8月23日)

 ツクツクボウシ、蝉時雨。鮎の引っかけ。「家の作りやうは、夏をむねとすべし」。当然、冷房不要。

◆八月 白露(9月8日)- 秋分(9月23日)

 芒とお月見(仲秋の名月「十五夜)」「十三夜」)の季節。秋の虫たちの大演奏会。お団子、食欲の秋。

◆九月 寒露(10月8日)- 霜降(10月23日)

 太陽が南に向けて方向転換を始める時期。鹿の夜鳴き。秋空の下のバーベキュ。

<冬>
◆十月 立冬(11月7日)- 小雪(11月22日)

 山燃ゆる錦秋の季節、雪んこ舞う。小春日和。カメムシ越冬準備。キノコの季節。

◆十一月 大雪(12月7日)- 冬至(12月22日)

 初雪、本格的な寒波到来。夏の冷房が不要な分、薪ストーブ全開。

◆十二月 小寒(1月5日)- 大寒(1月20日)

 大雪の季節到来。純白の世界に続く小さな足跡。真夜中、星が輝きだす。

常に「当たり前の出来事が、当たり前に訪づれ、持続的な安定性のある社会の実現」が求められている。でも、このお題目は未来永劫、求め続ける目標であることは、歴史をみても明らかだろう。宇宙や自然ですら「変わらぬこと」などありえない。但し、そこには必然性があることだけは、変わらぬ真実だ。そのことを受け入れられる知恵さえあれば、大半の人の営みは片付くはずだが、様々な欲がある以上、常に頑張る努力をすることしかできないのが人の性かもしれない。でも、米百俵の知恵なき政策は、単なる浪費に過ぎないだろう。いずれ、もっと厳しい茨の道が訪づれる。これからの季節、このおこぼれでふぐちりでも喰らって、この国のばら撒き政策と増税だけの無策を憂ようか。それとも、素直にふぐで福を呼び込もうか。

「定額給付金で山に1千億本の広葉樹を植えたらどうか」
「都会のスギ花粉アレルギーも必ず緩和されるだろうよ」
「林業従事者の数も増え、山里にも元気が取り戻せるよ」
「過疎化、温暖化、食料自給率の問題の解決にもなるよ」
「春と秋、宇宙から見る日本列島は、さぞ綺麗だろうよ」

いつの時代も、朝日が昇るとともに仕事につき、夕暮れには仕事を終え、鼻歌を口ずさみながら風呂でも入る、ごく平凡な生活が続けばいいのだが・・・。昭和の時代が懐かしい。もちろん、危険な遺産を持っているのも同じ昭和の時代だ。腹6〜8分目辺りが、十分に幸せを感じることが出来るんじゃないだろうか。

京都山小屋の住人

(次回に続く)