第89章 バーベキューはやはり楽しい(2013.9.15)
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山小屋の定番料理は、バーベキュー、網の上で焼く焼肉パーティーである。今まで何べんともなく、山小屋フィールドの上の方にある「囲炉裏がある東屋」で行なってきた。「囲炉裏がある東屋」とうい表現だとさぞ、立派な建屋の中にある囲炉裏端を想像してしまうので、正確な表現ではないため、ここは訂正したい。丸太の柱が4本あり、その上に杉皮で葺いた屋根がある。その屋根の下にブロックで四角に囲んだだけのバーベキュー場(囲炉裏)がある。通称、囲炉裏がある「東屋」と呼んでいる。この囲炉裏で使う火力は、通常は炭ではなく、山道などに落ちている枯れ枝を使うことにしている。炭にお金を使うのであれば、その分、少しでも食材に回した方がいい。ある程度、火が落ち着くのを待ってからバーベキューを始めることになる。

大抵の場合、日が暮れてからがバーベキューの佳境となるが、夏であればある程度、日も長いが、収穫の秋は、秋の日は釣瓶落としであり、さらに谷筋に位置するため、その分、日暮れも早く訪づれる。帳が下りると、そこは漆黒の世界、一応、裸電球はあるものの、焼肉の焼き加減がいい加減となるというか、焼けたかどうかの判断が肉眼では分かりづらい。また、アルコールも入るので、手元が狂い易くなり、網の外にも落ちる羽目となる。地面に落ちた場合には、10秒ルール(10秒以内に網に戻せば、多分、健康上は問題ない)を適用して、当然として網に戻して食べる。昭和時代に青春を過ごした者には当たり前のもったいない習慣だ。やはり、気の許した仲間で囲炉裏を囲んで食べ、飲んで、馬鹿話をするバーベキューはとても楽しい。

「この肉できたよ」
「肉は荒塩をふり軽く炙った方がおいしいよ」
「三条商店街にある高級焼肉店の肉よりも多分おいしいよ」
「当たり前だよ。この自然の中で食べる物に優るものはないよ」
「あっ、ジャリ・・・、この肉、砂を噛んだよ」
「大当たり。さっき、網から落ちた肉だ」
「あっ、勝手に口から外に吐き出したらだめだよ」
「もったいないか」
「それもあるけど、ほら、あの木の陰からよだれを流しながら、こっちを見ているよ」
「・・・・・・」

こんなバーベキューであるが、夏場の山仕事を早々に切り上げ、夕暮れ前に早々と五右衛門風呂に浴び、東屋に座りながらの枝豆や鮎の塩焼きを肴のあてに、渓流の中で冷やしたビールを飲み干す瞬間がまさに至福のひととき。ツクツクボウシの鳴き声がさらに夏の情緒をかきたてる。そんな山小屋の夏も去り、秋まっしぐらの季節到来。

京都山小屋の住人

(次回に続く)